腰痛と股関節の関係

　　腰痛と股関節の動きと聞いて、「関係ないのでは？」と感じると思いますが、腰痛と股関節は密接につながっています。

　「この腰痛は股関節が原因で痛みがでている」というケースがあります。腰と股関節がどのように関係していて、なぜ、股関節の動きの悪さから腰痛につながってしまうのか鍼灸師の大矢忠が解説いたします。

　股関節はどこにあるでしょう？
足の付け根の部分です。ももの骨（大腿骨）の大腿骨頭と、骨盤を作っている腸骨（ちょうこつ）という骨の受け皿になっている部分（腸骨窩といいます）で関節が構成されています。

　歩くときの股関節の動きをイメージしてみて下さい。
右足を振り出して、地面を踏みしめ、後ろにけりだす。
右足が地面を踏みしめているときに、
左足を振り出して、地面を踏みしめ、後ろにけりだす。
人はこんな風に、順番に足を出して、繰り返して歩いています。
その時、股関節は前に曲げる動きから後ろに伸ばす動きまでをスムーズに行っています。

　股関節は、関節の受け皿が深くなっていて、靭帯や筋肉で覆われているので、大きく動かせる関節の一つではありますが、肩の様にどんな向きにでも動かせる、とまではいかない関節です。肩の関節は前後ろ、上下、ほぼどんな向きでも動かせるように浅い関節で、外れることも稀にありますが、股関節は体重を支えるため、肩関節よりがっちり組んでいる関節になります。

180度開脚したい！と思ってもなかなかできないのも当然です。股関節が安定せずゆるゆるでは、歩いているとき、走っているときにぐらついて体が倒れてしまいますから。